SRT Probe - 詳細ガイド
このドキュメントでは、SRT Probe の詳細な機能説明と使用方法について解説します。
📖 SRT プロトコルとは
SRT(Secure Reliable Transport)は、インターネット上で高品質な映像・音声をリアルタイムに配信するために開発されたオープンソースのプロトコルです。
SRT の主な特徴
- 低遅延: 従来の配信プロトコルよりも遅延が少ない
- パケットロス補正: ネットワークが不安定でもデータを正確に配信
- 暗号化対応: AES暗号化によるセキュアな通信
- ファイアウォール越え: NATやファイアウォール環境でも動作
使用例
- SRTツールの接続テスト
- ライブストリーミング配信(スポーツ中継、イベント配信など)
- 放送局間の映像伝送
- リモート制作(REMI: Remote Integration Model)
- クラウドベースの映像制作
✨ 全機能一覧
🌍 5言語対応
- English、日本語、中文、한국어、Españolに対応
📊 リアルタイム統計
SRT Probe は、接続中のネットワーク品質を以下の指標でリアルタイムに表示します:
RTT (Round Trip Time)
ラウンドトリップ時間。データが送信先に届いて戻ってくるまでの時間です。
Throughput(スループット)
データの転送速度を Mbps(メガビット毎秒)で表示します。
Packet Loss(パケットロス)
送信したパケットのうち、失われたパケットの割合(%)です。
📈 パフォーマンスチャート
Chart.js を使用した動的なグラフで、以下の情報を時系列で表示します:
- RTT チャート: 遅延の推移を視覚化
- スループットチャート: 転送速度の変動を表示
- パケットロスチャート: ネットワーク品質の変化を監視
🔄 3つの接続モード
SRT Probe は、SRTプロトコルの3つの接続モードに対応しています:
1. CALLER(クライアント)モード
- 役割: 接続を開始する側(クライアント)
- 用途: 配信元から配信先へ接続する場合
- 設定: 接続先のIPアドレスとポート番号を指定
使用例:
Sender (caller) → Receiver (listener)
配信元がサーバーに接続してデータを送信
2. LISTENER(サーバー)モード
- 役割: 接続を待ち受ける側(サーバー)
- 用途: 配信先として待機する場合
- 設定: 待ち受けるポート番号を指定(IPは通常 0.0.0.0)
使用例:
Sender (listener) ← Receiver (caller)
配信元がサーバーとして待機し、受信側から接続を受ける
3. RENDEZVOUS(ランデブー)モード
- 役割: 双方が同時に接続を試みる(P2P)
- 用途: ファイアウォールやNAT越えが必要な場合
- 設定: 両側で同じポート番号を使用
使用例:
Sender (rendezvous) ⇄ Receiver (rendezvous)
両側が同時に接続を開始(対等な関係)
💾 プリセット機能
よく使う設定を保存して、次回から簡単に呼び出せます。
プリセットの保存
- 接続設定(IP、ポート、モードなど)を入力
- Save ボタンをクリック
- プリセット名を入力(例: “本社サーバー”、”東京拠点”)
- 保存をクリック
プリセットの読み込み
- ドロップダウンから保存済みのプリセットを選択
- Load ボタンをクリック
- 設定が自動的に入力されます
プリセットの削除
- ドロップダウンから削除したいプリセットを選択
- Delete ボタンをクリック
🎨 3パネル構成UI
SRT Probe のUIは、3つのパネルで構成されています:
左パネル: 設定入力
- Test Mode: 送信/受信モードの選択
- Connection Settings: IP、ポート番号の設定
- Advanced Settings: 詳細設定(後述)
- Preset Management: プリセットの保存・読み込み
右上パネル: リアルタイム統計
- 接続状態: Connected / Disconnected
- RTT: リアルタイム遅延表示
- Throughput: スループット表示
- Packet Loss: パケットロス率表示
- Performance Chart: 時系列グラフ
右下パネル: ログ出力
- リアルタイムログ: 接続状態やエラーメッセージ
- ログフィルター: Debug / Info / Warn / Error でフィルタリング
- ログクリア: ログ表示をクリア
⚙️ 詳細設定(Advanced Settings)
Advanced Settings を展開すると、以下の設定を調整できます:
Interval(データ送信間隔)
- 説明: データパケットを送信する間隔(ミリ秒)
- デフォルト: 100ms
- 推奨値:
- 高頻度テスト: 50-100ms
- 通常テスト: 100-500ms
- 低頻度テスト: 500-1000ms
Data Size(送信データサイズ)
- 説明: 1回の送信で送るデータサイズ(バイト)
- デフォルト: 1316バイト(SRT推奨値)
- 推奨値:
- 標準: 1316バイト(MTU 1500に最適化)
- 小サイズ: 512-1024バイト
- 大サイズ: 2048-4096バイト
Log Level(ログレベル)
- 説明: 表示するログの詳細度
- レベル:
- Debug: すべてのログを表示(開発・デバッグ用)
- Info: 通常の動作ログを表示(推奨)
- Warn: 警告とエラーのみ表示
- Error: エラーのみ表示(最小限)
Verbose Output(詳細ログ出力)
- 説明: より詳細なログ情報を出力
- 用途: トラブルシューティング時に有効化
- 注意: ログ量が増えるため、通常は無効でOK
Duration(テスト時間)
- 説明: テストの自動停止時間(秒)
- デフォルト: 0(無制限)
- 推奨値:
- 短期テスト: 10-60秒
- 長期テスト: 300-3600秒(5分〜1時間)
🎯 使用シナリオ別ガイド
シナリオ 1: ネットワークでのテスト
目的: 社内LANでのSRT接続確認
設定:
- Receiver側:
- Mode: Receiver (listener)
- IP: 0.0.0.0
- Port: 9000
- Sender側:
- Mode: Sender (caller)
- IP: 192.168.1.100(Receiver IPアドレス)
- Port: 9000
期待される結果:
- RTT: 1-10ms
- Packet Loss: 0-0.1%
- Throughput: ネットワーク速度に依存(通常100Mbps〜1Gbps)
シナリオ 2: インターネット経由の配信テスト(逆接続パターン)
目的: 拠点間でのSRT配信品質確認(配信元をサーバーとして使用)
設定:
- 配信元(Sender):
- Mode: Sender (listener)
- IP: 0.0.0.0
- Port: 9000
- ファイアウォールでポート9000を開放
- 配信先(Receiver):
- Mode: Receiver (caller)
- IP: [配信元のグローバルIP]
- Port: 9000
使用例:
配信元側にファイアウォール設定の権限がある場合、または配信元を固定サーバーとして運用する場合に有効です。
期待される結果:
- RTT: 20-150ms(距離に依存)
- Packet Loss: 0.1-1%
- Throughput: 回線速度に依存
シナリオ 3: ファイアウォール越えのP2Pテスト
目的: 両側がファイアウォール内にある場合のテスト
設定:
- 両側とも同じ設定:
- Mode: Rendezvous
- IP: 相手側のグローバルIP
- Port: 9000
- 両側で同時に「Start Test」をクリック
注意事項:
- UPnPが有効な環境で推奨
- または手動でポートフォワーディング設定が必要
🔍 統計の読み方とトラブルシューティング
正常な接続の例
Status: Connected
RTT: 25ms
Throughput: 8.5 Mbps
Packet Loss: 0.05%
→ 問題なし。高品質な接続です。
高遅延の例
Status: Connected
RTT: 450ms
Throughput: 2.1 Mbps
Packet Loss: 0.2%
→ RTTが高い。長距離接続または経路に問題がある可能性。
対処法:
- ネットワーク経路を確認
- traceroute で中継ルーターを調査
- ISPに問い合わせ
高パケットロスの例
Status: Connected
RTT: 35ms
Throughput: 4.2 Mbps
Packet Loss: 8.5%
→ パケットロスが高い。ネットワークが不安定。
対処法:
- Wi-Fi の場合は有線LANに変更
- 帯域幅が不足している可能性(他の通信を停止)
- ネットワーク機器(ルーター、スイッチ)を再起動
低スループットの例
Status: Connected
RTT: 18ms
Throughput: 0.3 Mbps
Packet Loss: 0.1%
→ スループットが低い。帯域制限がある可能性。
対処法:
- Interval を短くする(より頻繁にデータ送信)
- Data Size を大きくする
- ネットワーク帯域幅を確認
📞 サポートとフィードバック
サポート窓口
SRT Probe に関するご質問やお困りの点がございましたら、以下の方法でお問い合わせください:
GitHub Issues
技術的な問題やバグ報告は、GitHub Issues でご報告いただけます。
以下の情報を含めていただくと、迅速な対応が可能です:
- Windows バージョン
- SRT Probe バージョン
- エラーメッセージ(あれば)
- 再現手順
- ログファイル
メールサポート
一般的なお問い合わせ: videosp.info@gmail.com
よくある質問(FAQ)
よくある質問については、トラブルシューティングガイド のFAQセクションを参照してください。